ささのは通信

仙台在住メディア好き「ささのは」が、気になるコンテンツ等をご紹介させていただきます。時々は自分でも書くつもりです。

中学生に分かるように

横浜市長選挙の立候補者全員に中学生がインタビューしてみたら、という記事を読みました。

8/22は横浜市長選!中1娘が全候補者インタビューに挑戦しました | 森ノオト

 

取り組み自体はチャレンジングで面白いと思いました。キャッチーでもあります。

ただ、記事にも色々と明記されている通り、中学生の自主的な行動というよりは、申し訳ないですが専門家である親御さんの色が強く出た取り組みだなあ、とモヤモヤしてしまい……ということを言いたくて紹介しているわけではありません。

 

「中学生に分かるように」伝える、というのはとても大変で大切だな、ということです。

 

立候補者は、突然現れた中学生に、都市の未来を語らなければならなくなりました。彼女はたぶん私のイメージする中学生よりも相当賢いとは思いますし、バックに親の存在はあるのですが、あまり知識も社会経験も無く、ただ無限の可能性だけはある存在を相手に思いを言語化して伝えるというのは、政治慣れした方であるほど難しいことだったのではないでしょうか。大人同士、業界人同士で励まし合うのは簡単です。しかし、そうした時に使っている、ぼんやりした理念やテンプレ、内輪のノリは、彼女の心には届かないからです。

 

私は新卒で入社した新聞社の研修で、「どんなに難しい話でも、中学生に伝えるつもりで書きなさい」と教わりました。

一般の新聞を読むと、案外平易な言葉で書かれていることがわかります。必要以上の専門用語や内輪の常套句は極力使わないこと。普段使いの言葉でシンプルに伝えるためには、まず自分自身がその事象について、中学生、つまり社会の常識云々を身につける前の人たちにも説明できるまで理解することが必要です。

地方選挙の候補者もまた、同じことが言えると思います。年齢も肩書も育ちもバラバラの、数万単位の市民に思いを届けなければならないからです(言うまでもなく、中学生は票を持っていない、なんてことは問題になりません)。

 

先日、私の住む街でも市長選が行われ、現職の市長が再選されました。ここでは選挙や候補者について論じるつもりはありません。しかし、当選後に地元テレビ局のインタビューで「この市の魅力、優位性は」という都市運営の根幹に関わる質問に対しても、あまりにもふんわりとした答えしかできなかったシーンを目にし、衝撃を受けました。(3つしか無い魅力が「震災後である」「自然が豊か」「首都圏に近い」って!私も故郷には自虐的な方ですが、もうちょっと良く言う自信はありますよ!)

恐らく市長さんは、我が街の優位性という重要なテーマについて、ご自身で言語化し、自分の言葉で説明する機会をとられてこなかったのかな、と想像します。

 

(なんだか脱線した気がします。人さまに偉そうなことを言えない文章になってしまいました)

 

 

中学生にも分かるように。自分の思いを届け、実現に導くためには、大切で忘れてはならないキーワードだと私は思います。

 

「そこら辺の草天丼」好評 『翔んで埼玉』から着想

春日部経済新聞によると、埼玉県春日部市の「みどりスーパー」は、埼玉県を盛大にディスりつつ愛を表現したヒット映画『翔んで埼玉』の名台詞「埼玉県民にはそこら辺の草でも食わせとけ」にちなんだ天丼などを販売し、好評を得ているそうです。

「翔んで埼玉」続編決定 赤字過ぎる春日部「そこらへんの草天丼」も販売継続へ - 春日部経済新聞

「そこら辺の草」とは、地元で採れた野菜のことでしょう。きっと美味しいはずです。

他の地域の心ない人からディスられていたとしても、魅力は「そこら辺」に転がっているという事実を堂々と示す試みだと思います。商品自体は赤字覚悟のようなので無理はしないでほしいですが、多くの人たちが「そこら辺」の魅力に気づき、映画のごとく埼玉県民が覚醒する一つの契機になってくれたら面白いと思います。

J2山形7連勝 ホームは満員御礼

山形県に本拠を置くサッカーJ2モンテディオ山形」の絶好調とスタジアムの熱狂を山形新聞が伝えています。7連勝はクラブ記録だそうで、スタジアムにはサポーターが入場制限のギリギリまで詰めかけたようです。

 

モンテ、ゴールへもう止まらない スタジアムは“満員御礼”|モバイルやましん

(全文閲覧には要会員登録)

 

東京2020で「スポーツの力」に注目の集まるこの頃ですが、ローカルのスポーツは全国メディアに取り上げられる機会が少なく、注意していなければその「力」のほどを見落としてしまいます。私も、モンテディオは隣県のチームだと言うのに、最近の躍進を初めて知りました。

 

山形県のように人口、経済規模の比較的小さい地域にとって、地元チームや出身選手の活躍の与えるインパクトはとても大きなものです。開催中の高校野球大会(甲子園)は典型的な事例でしょう。

たとえ全国的には知名度が低くとも、各県の地方ニュースや新聞での存在感は非常に大きく、恐らく大都市圏で育った方は驚かれると思います。

 

私は仙台市民として、サッカーのベガルタ仙台の躍進(そして低迷)、それになんと言ってもプロ野球楽天イーグルスの創設と日本シリーズ制覇を通じ、スポーツチームの存在や報道がローカルアイデンティティに与える影響の凄まじさを肌で実感してきました。

私ささのは自身は根っからの文化系ですが、全国ニュースでは見えにくいローカルの盛り上がりに今後も注目していきたいと思います。本当に面白いですよ。

 

日本一ひなびた温泉は島根に

山陰中央新報によると、愛好家の選ぶ「ひなびた温泉」の1位に、島根県の千原温泉・千原湯谷湯治場が選ばれたそうです。

千原温泉が日本一 「ひなびた温泉」 秘湯ファン絶大な支持 | 山陰中央新報デジタル

(会員制。全文はYahoo!ニュースで読めます)

 

千原温泉は島根県美郷町にあり、明治期の開湯とされています。三瓶山麓の谷筋にぽつんと佇む一軒宿で、たどり着くには多少の努力が必要そうな道のりですが、喧騒から離れ、じっくりと心身を癒すには最適な環境と言えそうです。

 

今回のひなびた温泉のランキングは、こちらの本にまとまっています。

 

 

 

ささのは通信、始めてみます。

はじめまして。「ささのは」と申します。

今いろいろあって人生の夏休みです。

元々は放送や新聞、webメディアに興味があり、そんな仕事をしておりました。宮城県仙台市に住んでいます。

巷では無数のメディアが花盛りです。いくら好きでも、とても追いきれません。ならば、私ささのはの目に(たまたま)留まって「いいかも」と思ったコンテンツをご紹介するメディア、つまりローテクのキュレーションメディアを作ってみようかな、というのが今回の試みです。

読者の方が思わぬメディアと出会い、新たな刺激や喜び、気づきを得ることができれば、それだけで世界は少し広がり、やさしいものになるのでは?と思っています。私も皆様にご紹介するメディアを探す過程で、さまざまな物語に触れて視野を広げていきたいものです。

 

最初にご紹介するのは、いきなり僭越ながら私がかつて手がけた記事です。

宮城県丸森町の「生ける廃墟」の話。思えばしばらくご無沙汰ですし、この間に台風被害もあったので心配です。

宮城県丸森町の「廃墟型商業施設」が最高に湿っぽくてクリエイティブ|TOHOKU360

 

こんな感じで、いろいろなメディア(たぶん偏りますが)から気になる話題を見つけてきてはご紹介して行こうと思います。よろしくお願いします。